透析室について
透析室は、看護師、看護補助、臨床工学技士で構成され、患者様とのコミュニケーションを重視し、技術革新のはやい医療機器の知識・技術習得を怠ることなくスタッフ一同がんばっております。
人工透析室
2023年2月の開院にあわせ透析室をリニューアルし、ベッド数70床で運営しております。三栄会広畑病院は、回復期リハビリ病棟、包括ケア病棟からなる施設です。
通院維持透析は元より、入院維持透析にも力を入れております。
又、透析患者様の一番の悩みであるシャントトラブルに対しても、外科的治療やシャントPTA(血管拡張術)を施行しており緊急対応も行っております。 患者様に生き生きと気兼ねなく、素敵な透析時間を送っていただけるように心温まるケアを行い、患者様に安心していただける環境づくりを目指しています。
患者様とのコミュニケーションを大切にし、明るく和やかな雰囲気作りに努めています。
腎臓内科を中心に慢性腎臓病(CKD-MD)から慢性腎不全(CRF)に至る保存期腎疾患の治療・管理をはじめ、透析導入から維持透析に至るまできめ細かい治療や患者教育・指導を行っています。血液透析に必要な内シャントをはじめとするvascular accessの作成(年間約100例)やその合併症への対策は、透析外科との合同チームで行われ、カテーテルによる血栓摘除や血管拡張(PTA)、ステント留置などは年間450例に達しています。その他透析アミロイドーシスに対する手術や、肢趾切断を回避すべく糖尿病の管理やフットケア、さらには血管外科的処置も積極的に行われ、透析患者様のQOL向上に努めています。
なお、当施設は日本透析医学会の認定施設として承認されています。
腎臓の主な働き
- 体内でいらなくなった老廃物を尿中に排泄し、血液をきれいにします
- 体内の水分量が一定になるように尿の量を調節しています
- 血液の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン)を調節します
- 血圧のコントロールを行います
- 赤血球(全身に酸素を運ぶ)を作っています
- 血液が酸性やアルカリ性に傾かないように保っています
- ビタミンDを活性化させ、腸管からカルシウムを吸収し骨を丈夫にします
腎臓が悪くなると
- 体の中に老廃物が溜まってきて尿量に異常がみられ、むくみ、高血圧などがあらわれます
- 電解質の調節ができなくなり、血液が酸性に傾きます
- 赤血球が作られなくなり貧血症状が現れます(腎性貧血)
- 慢性腎臓病が軽度な時期には、食事療法や薬物療法を行いますが、さらに進行し末期に至ると、血液透析あるいは腎臓移植が必要となります
血液透析とは
腎臓の機能を人工的に代替するという、医療行為です。腎不全に陥った方が尿毒症になるのを防止するには、外的な手段で血液の「老廃物除去(尿素窒素、クレアチニン)」「電解質維持(ナトリウム、カリウム、カルシウム)」「水分量維持」を行わなければいけません。 血液透析は、血液を1度体の外に出して人工腎臓(血液透析器=ダイアライザ)を通して老廃物や過剰な水分を取り除き、また体の中に戻し血液を浄化することをいいます。この治療を週に3回3時間から5時間行います。
1分間に200ml~300mlの血液を抜き出し、戻す出入り口が必要です。その出入り口をバスキュラーアクセスといいます。
バスキュラーアクセス
- 内シャント(自己血管)
バスキュラーアクセスでは最も一般的な方法です。「シャント」とは、「短絡させる」と言う意味で動脈と静脈をつなぎ合わせて直接動脈の血を静脈に流れるようにしたものです。 - 内シャント(人工血管)
シャントに適した静脈がない場合、人工血管を腕に入れます。人工血管の種類はe-PTFEとポリウレタンの二種類があります。 - 動脈表在化
二腕の深いところにある動脈を皮膚のすぐ下に持ち上げます。透析には二本の針を刺さなければいけませんが、もう一本は静脈に刺します。
シャントトラブルの対応
- シャントトラブルの対応
旧シャントより中枢(肘寄り)の血管を利用し内シャントを作製いたします。
自己血管が無いときは、人工血管にて内シャントを作製いたします。 - シャントPTA(経皮的血管形成術)
維持透析の長期化や透析患者の増加により、透析シャントのトラブルに遭遇することは多く、このシャントトラブルは、透析効率の低下から生命予後に影響を与える重要な合併症です。できるだけ現存のシャントを温存し、透析効率を維持することが透析患者の長期予後とって必要です。
一昔前ではシャントトラブルに対し、外科的再手術を行うのが普通でしたが、最近では、シャントPTA(経皮的血管形成術)の普及により外科的手術をせずにシャントを温存できるようになりました。